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一般社団法人 全国国立大学附属学校PTA連合会(全附P連)PTA研修会 第14回全国大会

一般社団法人 全国国立大学附属学校PTA連合会(全附P連)

PTA研修会 第14回全国大会


9月29日(金)9月30日(土)、全国国立大学附属学校PTA連合会(全附P連)PTA研修会第14回全国大会がハイアットリージェンシー東京で開催され、校長先生、副校長先生、会長、副会長で出席いたしました。


【開催スローガン】 子どもたちとこの国の未来のために

~新時代の扉を開こう!これから求められる力とは~


【大会1日目】 基調講演  「なぜいじめ対策は難しいのか?」

講 師    阪根 健二氏(鳴門教育大学大学院特命教授)


中学生の子供たちは中々本心を親に言わず、うまく伝えられなかったりするので、私達保護者も子供 の心をしっかりとくみ取ることがより難しい年ごろとなってくると思います。

いじめ対策の姿勢として「いじめは人権侵害であり人間の尊厳そのものを踏みにじる行為である」と言う視点を持つということです。

いじめた人に聞き取りをする時は、是々では無く事情を聴くというスタンスで対応すべきとのことです。

実践学から生まれたいじめ対策とは、

1,いじめられっ子に非はなし(どんな場合でもいじめられた子に寄り添う)

2,周辺こそがいじめの元凶(いじめる子よりも周りの子への働き方が大切)

3,昨日と違うちょっとした様子こそ発見の決め手

(深刻な時ほど子供は訴えないので、それに気づく感受性が必要)

4,いじめの輪から新たな輪へ(既存の集団と異なる新しい集団や世界を提供する)

5,いじめる子も泣いている(いじめる子も何か悩みを抱えていることがある)

人の記憶の再現は事実の再現でなく、スキーマ「思考や記憶の枠」にあわせて変容する。だから、私たちも学び続け、上記のことを意識して対応していくことがポイントだそうです。

藤井 大温


分科会1 「自転車で世界一周の夢の実現」

        ~夢の始まりは学校になじめないことだった~

        講 師   坂本 達 氏 (株式会社ミキハウス社長室 冒険家)


子どものころからの夢だった自転車世界一周の旅を会社員の身分のままで実現したこと、家族でも自転車世界一周をしたことなどのお話を通して、夢をかなえる楽しさ、世界の人々のすばらしさなどを学ばせていただきました。

父親の仕事の関係で4年ほどフランスで生活し、帰国して通った小学校でいじめにあった。父に打ち明けたら、世界地図を見せられ「世界中にはもっと苦しい人がいる」という話を聞かされた。いじめは続いたが、何とか乗り越えた。というお話や、小学生のころからの世界一周の夢をあきらめきれず、社会人になってからミキハウス社長に交渉した結果、許可を得、しかも有給で4年3か月の自転車世界一周旅行をさせていただいたというお話、また、その間世界で体験したことなどについて伺いました。

世界一周の途中、ギニアでマラリアに罹り、生死の境をさまよった時、滞在した村の医師が朝夕1本ずつ3日間計6本の治療薬を注射してくれ助かったそうです、しかし、その6本は村で最後の薬だったことを知り、自分のせいで村人が助からなくなるかもしれないという事実にショックを受けたそうです。帰国後「やった」を執筆し、その印税で現地に学校を作ろうとされたそうですが、病気の一番の原因になるのが水なので井戸が欲しいと言われ井戸を掘った。というお話を伺いました。井戸を掘った後は「ほった」という本も執筆されたそうです。「やった」「ほった」が高校の英語、「ほった」が中3国語の教科書にも掲載されたそうです。

世界を見てきて、「日本では当たり前に整っているものが世界でも当たり前ではない。満ち足りすぎて、あって当たり前と思うと、ないと不満に思う。不足の中からありがたみは感じられるもので、今の我々に不足は必要だ。」「ないものばかり見ていると元気が出ない。あるところを見る。できるところを意識すると元気が出る。」など紙面の関係でご紹介できませんが、たくさんのいいお話を伺いました。皆さんも何かの機会に是非坂本達さんのお話を聞いていただければと思っております。

前田 潔
















分科会3 こども家庭庁と今後のこども・子育て政策について

        講 師  高田 行野理 氏 こども家庭庁成育局総務課長


今年度4月から発足した「こども家庭庁」成育局総務課長の髙田行紀さんから、はじめに「こども家庭庁」の役割や基本姿勢について、次に「こども・子育て政策の現状」と「日本版DBS(性犯罪歴確認)」の検討状況についてお話を伺いました。

「こども家庭庁」は内閣府の外局として設置され、スローガンは「こどもまんなか」です。「こどもまんなか」とは、こども一人ひとりの意見を聴いてその声をまんなかに置きアクションし、こどもにとって最もよいことは何かを考えて、政策に反映していくことです。また、子育てしている人たちの困っていることに向き合い、いざというときに守るための仕組みをつくることも使命としています。こども・若者がぶつかるさまざまな課題を解決し、大人が中心になって作ってきた社会を「こどもまんなか」社会へと作り変えていくための司令塔が「こども家庭庁」です。この説明を聞いて、今まで文部科学省と厚生労働省のいわゆる縦割り行政によって教育と保育、福祉の関連が取りにくかった部分が強化されることに大変期待が持てると感じました。

「こども・子育て政策の現状」では、2030年代を境に加速度的に急減する若年人口2030年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減し、少子化はもはや歯止めの利かない状況になること、2030年代に入るまでのこれからの6~7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであることが説明されました。

「日本版DBS(性犯罪歴確認)」の検討状況では、制度の基本的な視点として、こどもが性被害に遭わないよう、教育・保育等が提供される場において、教育・保育等を提供する対象事業者は、こどもの安全を確保するための措置をとることを明確にすること。事業者は、その責務を果たすためのツールとして、業務に従事させようとする者について、一定の年数内の性犯罪前科がないことを確認する仕組みを設け、確認を義務化することの説明がありました。法律の制定まで、刑法や学校教育法や児童福祉法、個人情報保護法との調整が必要なこと、情報管理についての規則や情報漏洩の才野罰則規定の設定などクリアすべき問題が残っている事の説明がありました。こどもの安全確保がより確実なものとなるよう、関係省庁が連携して、できるだけ早期に「日本版DBS(性犯罪歴確認)」を導入してほしいと思いました。

 小倉 恭彦



【大会2日目】 基調講演 「異彩を、放て。」~福祉×アートで世界を変える~

        講 師  松田 文登 氏 (株式会社ヘラルボニー代表取締役副社長)


「皆さん、障害、福祉と聞いてどう感じられますか?」松田氏の問いかけから始まりました。

どのような言葉で答えたらよいか考えていたところ、松田氏は、「社会からかわいそうという感情でみられることに僕たちはずっと違和感を抱いていた」と言われ、はっとしました。

 松田氏は3兄弟の末っ子、一番上のお兄様は障がい者で、人との会話や音声では行動が理解しづらく、文字にして順番に読んでいけば落ち着いて行動できるという特性(個性)をもたれています。小さなころからお兄様とともに障がい者の集まりに参加していたのもあり、「障がいはマイノリティーではなくマジョリティ」と感じていたから、大人になるにつれ自分たちをとりまく社会に違和感を抱いていったそうです。

大学を卒業された松田氏は「障害=欠落」という社会の意識を変えるため、双子の兄と障がい者の特性を生かした会社「ヘラルボニー」を立ちあげられました。

 障がい者が福祉施設で勤務して支払われる月額給与は15,960円。とても生活できません。そこで全国の障がい者と提携し、それぞれの特性を生かしたアートで国の補助金を頼らず、収入を稼げるビジネスモデルを構築しきちんと税金を納められる存在に育んでこられました。『できないをできるにするのではない、かれらのできるにお金の文脈をつくる』ことをモットーにどんどん活動を広げ、ヘラルボニー×阪急梅田、ヘラルボニー×Disney、ヘラルボニー×成田空港、東京パラリンピックの閉会式なども彩られました。

NPS(顧客ロイヤリティの高さ)スコア56.3という高評価も獲得されましたが、「ヘラルボニーを体現したかたが多くのみんなに伝えてくれたから」と感謝を述べておられました。

ヘラルボニーとは、どんな意味かと不思議に思っていると、「昔お兄さんが何気に書いていた言葉を社名にした」と述べられ、こんなところにもお兄さんを思う優しい気持ちに心温まり感銘いたしました。お互いの個性を認め尊重しあう社会は愛に満ち溢れ、誰もが幸福感を感じられます。

近い将来、ヘラルボニーのアート作品に目が留まることが多々ありそうです。

沖津智子













パネルディスカッション 「これからの附属学校の期待される在り方」

 パネリスト 小倉 基靖 氏 (文部科学省総合教育政策局教育人材政策課 

教員養成企画室長)

       吉田 隆  氏 (奈良女子大学附属中等教育学校 校長)

       彦坂 秀樹 氏 (東京学芸大学附属竹早小学校前副校長)

       神谷 直典 氏 (埼玉大学教育学部附属小学校 副校長)

       呉本 啓郎 氏 ((一社)全国国立大学附属学校PTA連合会 元会長)

 コーディネーター 桑名 良尚 氏((一社)全国国立大学附属学校PTA連合会 会長)


全国P附連会長等のパネルディスカッションや全国会長後援会で話し合われた内容です。

昨今の人口減少・少子高齢化に伴い国の財源も陰りが見え国立大学の予算も例外ではありません。加えて附属学校は市立学校より予算が少なく学校単位での努力にも限界があり実際問題として先生の人数の削減や図書費等、実影響として生徒(の学校生活)にも影響が出てきている学校もあります。

そこで今、全国の附属学校で後援会を設立し在校生や卒業生から資金を集め運営をしている附属学校が増えてきています。今後、この流れが大きくなることは間違いなく我が校でも子供たちの利益が損なわれる前に後援会の設立を検討、立ち上げをしていかなければ他県に後れをとることになります。

現在、振興会で必要資金を集め生徒たちの為に活用していますが、時代の変化とともに後援会へと早期に移行することが望まれることとなります。

藤井 大温


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